Wednesday, 15 November 2017 20:12

日馬富士暴行問題 相撲協会 当初は重大事案と判断せず

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大相撲の横綱日馬富士が平幕の貴ノ岩に暴行した問題で、日本相撲協会は当初、力士や親方などから正確な情報を得ることができず、重大な事案ではないと判断していたことがわかり、八百長問題などをきっかけに整備が進められてきた危機管理の在り方が、改めて問われています。

 

この問題は、大相撲の横綱日馬富士が、先月25日に巡業先の鳥取市に入った夜、飲食の席で貴ノ岩を殴るなどしてけがをさせたもので、貴ノ岩は九州場所を休場し、13日、頭の骨を折るなどのけがで2週間の治療が必要という診断書を提出しました。

貴ノ岩の師匠の貴乃花親方は、先月29日に警察に被害届を提出し、警察は傷害の疑いで捜査を始めました。

しかし相撲協会によりますと、巡業の責任者の巡業部長でもある貴乃花親方から危機管理を担当する理事にこの問題の報告はなく、相撲協会が把握したのは暴行からおよそ1週間後の今月2日、警察の連絡によるものだったということです。相撲協会は、翌日には貴乃花親方に電話で事情を聞きましたが、貴乃花親方は被害届を出したあとにもかかわらず「暴行を受けていたことは知らなかった。『階段から落ちてけがをした』と聞いていた」などと説明したということです。

また日馬富士の師匠の伊勢ヶ濱親方からも、暴行があったという報告はなかったということです。

相撲協会は、貴ノ岩が最後まで巡業に出続けたことなどから、けがの程度は軽く、重大な事案ではないと判断し、力士から事情を聞くことはありませんでした。ところが、九州場所の2日目になって、休場した貴ノ岩の診断書が提出され、頭の骨を折るなどのけがだったことがわかり、14日になって初めて事案を公表しました。

これについて協会の幹部は、「十分な情報がなく、休場するほどのけがだとは思わなかったので詳しい経緯の把握が遅れた」と話しています。

日本相撲協会は、平成19年の力士の暴行死事件や、平成23年の八百長問題など不祥事を受けて、危機管理委員会を設置するなど再発防止策を進めてきましたが、今回、危機管理の在り方が改めて問われています。

「ちゃんこ店では和やかだったが」

暴行を受けた貴ノ岩の母校、鳥取城北高校の校長で、相撲部の総監督の石浦外喜義さんは、貴ノ岩の高校時代に指導にあたっていて、今回、暴行が行われる前の市内のちゃんこ店で、日馬富士や貴ノ岩などと飲食をともにしていました。その際は和やかな様子だったということです。

石浦校長は「日本相撲協会と警察が調査しているのをどうなるのか見守っている。私が貴ノ岩を預け、彼にとって父親のような貴乃花親方からもまだ連絡がない。その連絡が来たら改めて話をしたい」と話していました。

日本相撲協会の危機管理体制

日本相撲協会は、平成19年の力士の暴行死事件や平成23年の八百長問題など不祥事が相次いだことを受けて、八百長問題の再発防止委員会を発展させる形で不祥事の対応などに当たる危機管理委員会を設置しました。

現在は危機管理部長の鏡山理事が責任者で、外部理事で元名古屋高検検事長の高野利雄弁護士が委員長を務め、協会理事や外部の弁護士で構成されています。

問題が起きた場合には、力士の師匠のほか本場所や巡業の担当の部長が責任を持って問題を把握し、すみやかに危機管理担当の理事に報告し、詳細な調査が行われることになっています。

そのほか、情報を得た第三者からの通報で問題の調査が始まるケースもあるということです。
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